空飛ぶ車が日本の空をかける日 | 未来塵

空飛ぶ車が日本の空をかける日

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空飛ぶ車イメージ

先日ボーイング社の「空飛ぶ車」が試作機の試験飛行に成功したとのニュースが報じられた。

●米ボーイング、「空飛ぶ車」試作機の試験飛行に成功
2019/1/24  yahoo!ニュースより

日本でも経済産業省と国土交通省が2018年8月に「空の移動革命に向けた官民協議会」を設立し、12月20日に実現に向けたロードマップ を発表した。
ロードマップによると2019年に福島ロボットテストフォールドなどでの試験飛行を開始を目指し、早くも2023年には事業スタートを目標としている。

※福島ロボットテストフィールドとは、福島県南相馬市を中心に無人航空機、災害対応ロボット、水中探査ロボットなどの将来活躍が期待される未来のロボット技術を研究する拠点だ。


20世紀に想像していた21世紀の未来絵図には必ず登場していた「空飛ぶ車」がいよいよ日本でも現実味を帯びてきた。

でも「空飛ぶ車」ってどんなメリットがあるのだろうか?

そもそも「空飛ぶ車」として現在開発されている代表的な機体は無人航空機のドローンを大型化して人が乗車できるようにした垂直離着陸タイプだ。

経済産業省ウェブサイトでその具体的な活用方法が提案されている。
※下記の画像や動画は経済産業省ウェブサイトより

飛行機のように滑走路が必要なく、ヘリコプターよりも小型で自動操縦が可能で、

●山間部や離島での新しい移動手段

空飛ぶ車:山間部での新しい移動手段

●災害時の救急搬送や物資輸送

空飛ぶ車:災害時の救急搬送や物資輸送

●都市の渋滞を避けた通勤手段

空飛ぶ車:都市の渋滞を避けた通勤手段

などに活躍が期待されている。

経済産業省が制作したこちらの動画では、

経済産業省・YouTubeより

田舎のおじいさんの家に一人で遊びに来た孫が急に具合が悪くなり、近くの病院へ自動操縦の「空飛ぶ車」で搬送される様子が描かれている。
これを見ると、将来的な普及によってコストダウンが進めば、ドクターヘリの代りになる存在なのかもしれない。

ただし、実現に向けては

●安全性の確保
墜落すれば地上を走る車以上の大事故になる。安定した飛行能力と墜落防止のための安全策が必須だ。
自動操縦を行うのであれば、AIの進化とともに常時通信が可能なバックアップ機能も必要。

●新しい航空法の整備
「空飛ぶ車」は飛行機やヘリコプターと比べて低空の飛行を想定しているが、このままでは現在の航空法が適用され、他の航空機と同レベルの規制が要求されると普及の大きな障害になる。


その他、専用の発着場所や現在の航続距離はまだまだ短いので燃料補給用のステーションなど「空飛ぶ車」用のインフラ整備も必要で、解決すべき課題は山積みだ。

でもやっぱり「空飛ぶ車」には「夢に描いていた未来がやってきた」というワクワク感がある。

空飛ぶ車のある生活

「空の移動革命に向けたロードマップ」では2030年代には本格的な実用化の拡大を目指しているそうだが、安全性を確保した上での実現を期待したい。