SPEC
名称:Elevate concept(エレヴェイト・コンセプト)
製造:Hyundai(ヒュンダイ)
動力:電気モーター
搭乗人員:4名
デビュー:2019年
その車は災害現場での人命救助を目的として開発されたそうだが・・・どう考えても開発者の中にSF映画やサンダーバードのファンがいるはず!
韓国の自動車メーカーHyundai(ヒュンダイ)が開発したエレヴェイト・コンセプト(以下エレヴェイト)は、ロボットのような4本の足を備えた電気自動車だ。
初のお披露目は今年1月にラスベガスで開催されたCES 2019(国際家電見本市 )で、エレヴェイトは自然災害が発生した場合に緊急作業員が過酷な地形を移動できるように設計されている。
開発者によると「津波や地震などの災害が発生してから最初の72時間が人命を救うためには最も重要な時間。しかし災害によって道路が走行不能な状況になることは珍しくなく、そのため捜索や救助できず手遅れになってしまう」。
この問題を解決するために、エレヴェイトは「今までのオフロード車より速度が出せ、しかも効率的で柔軟に対応できる車」というコンセプトで開発された。
車体から伸びる4本の足は、さまざまな状況によって任意の方向に動き、歩行や斜面を登ることができる。
ヒュンダイの最新の電気アクチュエータ技術によって、ロボット脚には、股関節に2つ、膝に1つ、そして足首に2つ、合計5つの自由度が与えられており、4つの車輪はインホイール・モーター(タイヤと直結されたモーター)によって駆動する。
さらにもう1つのエレヴェイトの特徴は、状況や環境に応じてボディが交換可能であり、モジュラー型のシャシー構造をもつことだ。
●スノーモード
ロボット脚を伸ばせば、乗客を水平に保ちながら5フィート(約1.5メートル)の壁を登ったり、隙間を超えることができる。
●タクシーモード
アタッチメントを変えることにより、階段を上って障害者用の車椅子用スロープのかわりになるタクシーとしても使える。
●アクティブ・サスペンションモード
車輪が完全に伸びた状態では、最も能力のあるオフロード車でさえも走ることのできないような地形を走破できる。
このモードは、車体を水平に保ちながら、脚を平坦でない地形に追従させる。
●ドライブモード
道路に戻れば脚を収納して、高速走行が可能なドライブモードで移動できる。
これらのモードを組み合わせることで、通常の捜索救助チームよりもはるかに早く、エレヴェイトは困っている人々に救助を提供できる。
ヒュンダイではエレヴェイトをUMV(Ultimate Mobility Vehicle)と呼び、「ロボットの技術と最新の電子技術を組み合わせることによって、これまでの自動車の概念を再定義した」と言う。
確かに思わず「トランスフォーム!」とさけびたくなる車だ。
References: dezeen, PC Magazine