SPEC
●宇宙船
名称:Dragon 2(クルードラゴン)
製造:SpaceX社(アメリカ)
直径:4m
高さ:8.1m
重量:9,525 kg
動力:SuperDracoエンジン×8基
搭乗人員:7名
最初の打ち上げ:2019年3月2日(無人試験)S
●打ち上げ用ロケット
名称:ファルコン9フル・スラスト(Falcon 9 v1.2)
製造:SpaceX
直径:3.66m
全長:70m
重量:549,054kg
段数:2段式
動力:1段(マーリン1D×9基)、2段(マーリン1Dバキューム×1基)
最初の打ち上げ:2015年12月22日
またまた身近な宇宙旅行を実現するためのうれしいニュースだ。
イーロン・マスクがCEOを務めるSpaceX社の宇宙船「Dragon2(クルードラゴン)」が3月3日米東部時間の午前5時51分ごろ、ISS(国際宇宙ステーション)とのドッキングに成功した。
ISSにアメリカの宇宙船がドッキングするのは2011年のスペースシャトル・アトランティス以来で、民間の宇宙船としてはもちろんはじめてだ。
クルードラゴンは3月2日にNASAのケネディ宇宙センターからSpaceX社のファルコン9ロケットで打ち上げられた。
クルードラゴンは7人乗りの宇宙船だが、残念ながら今回は人間のクルーは乗っていない(リプリーという名のデータ収集用のセンサーが満載された人形が1名乗っているが・・・)。
SpaceX社では今回の飛行実験が成功すれば、4月に緊急脱出装置のテストを行ない、7月にはついにNASAの宇宙飛行士を乗せてISSを目指す有人飛行ミッションにチャレンジするとアナウンスしている。
SpaceXが画期的なのは、宇宙旅行にかかる費用を大幅にコストダウンしたことだ。
1970年から2000年の間、1キログラムの物体を宇宙へ打ち上げるコストは平均して18,500ドル(約207万円)だった。
その後スペースシャトルが運用されるようになってコストが増加していき、ついには1キログラムあたり54,500ドル(約610万円)に達した。
今回ISSへのアクセスに使用されたSpaceXのファルコン9のコストは1キログラムあたり2,720ドル(約30万円)、なんと95%以上ものコストダウンに成功した。
SpaceX社はこのコストダウンを、燃料やエンジンの改良に加え、可能な限りロケットを回収して徹底的に再利用をはかることで実現した。
ただしSpaceX社もうかうかしてはいられない。
宇宙飛行士の輸送計画に名乗りをあげているのはSpaceXだけではなく、ボーイング社をはじめとした数社がNASAと契約を結んでいる。
ボーイングは今年4月にもカプセル型宇宙船の無人飛行テストを開始するそうだ。
複数の会社が競争してコストダウンがさらに進めば、やがてわわわれ一般人でも手の届く料金で宇宙旅行に行ける時代がやってくる。
はやく自分自身の目で見て「地球は青かった」というあの有名なセリフをツイートしてみたい。
References: SPACE.COM ,Universal-Sci