子供のころ「はじめ人間ギャートルズ」というアニメで原始人の少年ゴンが自分の体よりも大きなマンモスの肉をおいしそうに食べるシーンを見て、「いつか自分も食べてみたい!」と思った。
大人になり、恐竜の生きていた時代に琥珀に閉じ込められた蚊の中から、蚊が吸った恐竜の遺伝子を取り出し見事恐竜を復活させるという映画「ジュラシックパーク」を見て、21世紀には現実になるかもと興奮した。
しかし現実にはなかなか難しいようで、いまだ恐竜はおろか近代に絶滅した生き物を復活させるプロジェクトも成功していない。
だから近畿大学が「マンモスの細胞核を再生!」というニュースを見て仰天した。
●近畿大、マンモス復活へ一歩 細胞核を再生
2019/3/11 日本経済新聞より
近畿大学の研究チームがシベリアの永久凍土で28,000年の間眠っていた非常に保存状態のよい「Yuka」と名づけられた子供のマンモスから細胞核の成分を取り出し、マウスの卵子に移植したところ、細胞分裂の直前まで成長したそうだ。
残念ながら細胞分裂にはいたらなかったが、DNAの損傷箇所の修復さえもわずかだが観察された。
これは「マンモス肉復活」・・・いや「マンモス復活の大いなる前進」だ。
近畿大学はロシア・サハ共和国の科学アカデミーと共同して、「体細胞核移植法」と呼ばれるクローン技術を使って、以前から「マンモス復活プロジェクト」を研究している。
この体細胞クローン技術は20世紀末に話題となったクローン羊「ドリー」の技術が応用されており、精子や卵子といった生命誕生に直接関わる細胞以外の皮膚や筋肉といった体細胞からでも、まったく遺伝子の同じ生物を誕生させることのできる技術だ。
この技術に必要なのは(1)状態のいいマンモスの細胞、(2)遺伝子的にマンモスと近いゾウの卵子、(3)代理母の3つ。
今回Yukaの細胞を使って細胞核が再生できたことによって、(1)はクリアできる可能性が見えてきた。
意外なのは(2)と(3)が大きなハードルになっていることだ。
ゾウは絶滅危惧種に指定されており、貴重なゾウの卵子を人工的に取り出した例もなく、研究に協力してくれる機関を探すのに苦労しているそうだ。
今回マウスでの実験に成功したからといって、次はいよいよゾウでとは簡単にはいかない。
ちなみにマンモスが絶滅したのは1万年前と意外に最近で、その原因については「気候変動」や「人間による乱獲」や「伝染病」など諸説あり、まだ「なぜマンモス属すべてが死滅したか?」についてはっきりとはわかっていない。
近畿大学の研究はこの謎を解明するため、マンモスの再生に取り組んでいる。
そんな先生方の前で「マンモス肉が食べたい!」とは口が裂けても言えないが、生きているうちにきっといつかは・・・。
ちなみにおなじみのクックパッドでマンモス肉のレシピを見つけた。
さすがクックパッド! とりあえずこちらを作って夢を体験しよう!
●マンモス肉のレシピ
cookpadより