UFOの正体とは何なのか? 宇宙人の乗り物ではない? 軍の呼び名はUAP | 未来塵

UFOの正体とは何なのか? 宇宙人の乗り物ではない? 軍の呼び名はUAP

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UFOイメージ

UFO」と言えば「ネッシー」「雪男」と並ぶ20世紀最大のミステリーだ。

●「雪男の足跡」をめぐるインド軍とネパール軍の攻防! もしかしたらワンチャンあるかも?

●ネッシーの最新の目撃報告と専門家が語るその正体

特に矢追純一氏が手がけた日本テレビの「UFO」特集は、「UFO=宇宙人の乗り物」だけでなく「ナチスの秘密兵器」や、宇宙人と密約を結び手に入れたテクノロジーで開発された「軍事兵器」などイマジネーションをかきたてるさまざまな仮設が提示され、強烈なインパクトを放っていた。


しかし21世紀になった今日でも、その正体はわかっていない。

2017年ニューヨーク・タイムズに、アメリカ国防総省(通称:ペンタゴン)UFO調査を目的としたプロジェクトを実施していたという記事が掲載されて注目を集めた。
このプロジェクトは「AATIP(Advanced Aerospace Threat Identification Program/先進的航空宇宙脅威識別プログラム)」と呼ばれ、2007年から2012年までの5年間で、24億円近い予算が投入された。

ペンタゴンはAATIPにおいて「宇宙人の乗り物」というイメージが強い「UFO(Unidentified Flying Object)=未確認飛行物体」の調査への批判を避けるため、意図的に「UAP(Unidentified Aerial Phenomena)=正体不明の空中現象」という呼称を使っている。

ペンタゴンが主導したこの調査でも最終的に「UFO」もとい「UAP」の正体は特定されなかったが、現在考えられている8つの候補を紹介しよう。

1.スプライト(wiki)

スプライト
スプライト(Wikipediaより)

UFOが目撃される際にはよく、雷雨をともなうことがある。
スプライトは一般的な雷とは異なり、雷雲からの放電現象の一種で、赤や青白い皿の形や球形の光が超高層圏で発光する。

2.ミサイル実験

ノルウェーに現れた渦巻き光
ノルウェーの上空に出現した渦巻き状の光(Live Scienceより)

2009年12月、ノルウェー北部の上空に謎の渦巻き状の光が現れた。
白い光が渦巻くその中心部から青緑色の光が地上に伸びている。

異次元へとつながる「ワームホール」ではないかと騒がれたが、その原因は発射に失敗したロシアのミサイルによるものだった。
ロシア国防省によれば、弾道ミサイルの実験で発射後にミサイルがコントロール不能になって回転し、その航跡が神秘的な渦巻きの光となってノルウェーの空に描かれたという。
このような渦巻きの光はロシアだけでなくさまざまな国のミサイル実験で現れる可能性がある。

3.奇妙な形の雲

レンズ雲(UFO雲)
UFO雲(レンズ雲)

「レンズ雲」に代表される奇妙な形の雲。
「レンズ雲」は別名「UFO雲」とも呼ばれ、凸レンズを横から見たような形をしている。
強風の場所に現れるがはっきりとした形で見え、ふちがピンクや緑色に染まった「彩雲」であることが多い。

4.風船

風船
風船

ときどきUFOのスクープ映像で「輝くたくさんの小さな光の球がゆっくりと空を移動している」という動画を目にするが、その正体の多くは風船。
イベントや結婚式で飛ばされた風船が太陽の光を反射して輝く光の球に見える。

5.金星

金星
金星

金星は明け方や夕方の空にかなり目立って輝くので、昔からたびたびUFOに間違われてきた。

6.飛行機

飛行機
飛行機

夕焼けの空を飛ぶ飛行機の主翼や尾翼が太陽光にかき消され、葉巻型UFOに見えることがある。
他にも飛行機雲が太陽光を浴びて思わぬ形に見えたり、夜に点灯する飛行機のライトもUFOによく見間違われる。

7.軍事実験

ロズウェル事件を報じた地元紙
ロズウェル事件を報じる当時の地元紙の記事(Wikipediaより)

UFOに関する事件として世界で最も有名な「ロズウェル事件」(wiki)を軍は極秘の実験だった主張している。

「ロズウェル事件」とは、1947年7月8日、アメリカのニューメキシコ州ロズウェル近くに「空飛ぶ円盤」が墜落したとアメリカ陸軍航空隊(空軍の前進組織)が発表し、その後「プロジェクート・モーグル」という軍事実験だったと否定した。
「プロジェクト・モーグル」とは当時冷戦下にあったソビエト連邦の核実験の音波を気球で探知するための極秘実験。

開発中の軍用機を目撃してUFOと勘違いするケースもある。

8.ドローン

ドローン
ドローン

最近よくUFOに間違われるのが無人航空機(いわゆるドローン)
UFOにそっくりな形の円盤型もあり、夕方や夜にライトを点灯させて飛ぶ姿は、さながら未確認飛行物体である。

これら8つ以外にもCG合成によって作られたフェイク画像や、鳥や人工衛星の誤認までさまざまあるが、AATIPが調査した中にはそのどれにも当てはまらない事件が報告されている。

ジンバルビデオ
機密解除された回転するUAPの映像
(To The Stars Academy of Arts & Science,YouTubeより)

これは米国政府の公式な機密解除審査を経て公開された「UAP」に関する映像の1つ。

場所、日付は公表されていないが(一説には2015年とも)、アメリカ海軍の戦闘機F/A-18スーパーホーネットに搭載された「ATFLIR」と呼ばれる最新の赤外線カメラで撮影された。

映像に映っているUAPは高度7600m、マッハ0.6のスピードで飛行しているが、翼のようなものは見当たらず、どのような推進力で飛行しているのかわからない。

さらに向かい風にもかかわらず回転して100度向きを変えており、現在の空気力学では説明のつかない機動性だ。

つい先日アメリカのヒストリーチャンネルで元AATIPのエリゾンド氏やアメリカ政府の元高官たちがUFOの真実について語る興味深い番組が放送開始された。

●「UNIDENTIFIED: INSIDE AMERICA’S UFO INVESTIGATION(正体不明:アメリカにおけるUFO捜査の内側)」(History Channelより)

2019年6月現在、残念ながら日本では公開されていないが、ぜひ早く見てみたい。

「UFOやUAPの正体をなぜ人類は今だに解明できないのか?」について中部大学の武田教授が興味深い意見を述べている。

●人類はなぜUFOの正体を解明できないのか

現在の人類が主に使っている観測方法は可視光や赤外線といった電磁波による光学的な方法だが、広大な宇宙から見れば光学的な方法では観測不可能な方法で飛ぶ物体があってもおかしくない。

例えば1916年にアインシュタイン博士がその存在を予言し、100年後の2016年にはじめて観測された「重力波」だ。

UFO「重力波」に関する推進力を利用して飛行しているのならば、「重力波」の研究が進めばその正体が解明される日が来るかもしれない。

References:
●UFOとよく間違えられる7つのこと
2010/11/10 Live scienceより

●ジンバル:認証されたUAP映像
To The Stars Academy of Arts & Scienceより